こんにちは、中小企業診断士の栢原です。
この記事では、赤字から脱却するための流れについてお伝えしています。
この記事を読んでわかること
- 営業利益が赤字の企業が赤字脱却のためにやるべきこと
- 赤字脱却のための流れが理解できる
はじめに
中小企業のお金の悩みはいくつかのパターンがあります。
- 営業利益が赤字(本業で売上がたっていない)
- コロナ禍など一時的な営業不振で赤字になっている
- 営業利益は出ていて黒字のはずなのに、資金繰りで悩んでいる
この記事では、1と2のパターンについてご紹介します。
1と2を同じ扱いをする理由としては、一時的な営業不振であっても、営業利益が2期連続赤字になった場合、次期に黒字化することが難しくそのまま赤字が続いてしまうことが多いからです。「今期(次期)、絶対に黒字化できる!」という自信がない限り、何かしらの策をうつことをオススメしています。
営業利益は出ているのに資金繰りで悩んでいる、という方にはこちらの記事がオススメ。
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STEP1:赤字の原因を見つける
まず、赤字から脱却するためには、その原因を見つけることが必要不可欠です。原因がわからなければ、どのように改善していけば良いかが、わからないからです。
赤字の原因を見つけるには、以下の2つの方法があります。
1.数字に基づく分析
まずは数字に基づく分析を行いましょう。赤字になっている理由は、売上不足か、費用過剰か、それとも両方なのか、数字から見極めることができます。赤字の原因を解明するためには、決算書の作成や過去の業績データの集計が必要です。
- お客さんが減ったのか
- 出費が増えたのか
- 営業利益は黒字なのに営業活動以外で赤字になっているのか
など、どの段階で赤字になっているかを考える必要があります。
2.現場の声を聞く
数字だけでなく、社員やお客様からの声も聞いてみましょう。現場で起きていることを知ることで、赤字の原因を見つけることができるかもしれません。社員からは業務の効率化や改善点、お客様からは商品やサービスの改善点などを聞き出すことができます。
現場の声を拾うことで、お客さんの数や購買数などの数字が、なぜそのように動いたのかの原因が見えてきます。
STEP2:赤字を改善するためのアイデア
赤字の原因が分かったら、次は改善アイデアを考えましょう。以下では、お客さんを増やすためのアイデア、出費を減らすためのアイデア、使えるお金を増やすための3つのアイデアについて紹介します。
お客さんを増やすためのアイデア
- LTVの改善:リピート率の向上、
- 新規顧客の開拓
- 口コミを増やすためのサービス向上
- リピートしたくなる、する必要がある商品や価格の設計
- 販路拡大(webでの販売開始、SNSを始めるetc)
出費を減らすためのアイデア
- 稼働していない固定資産からお金を生み出す方法を考えるor売却の検討
- 業務の効率化
使えるお金を増やすためのアイデア
- 無駄な在庫を現金化する
- 運転資金が少なくて済むようにする
- 効果的な資金調達(クラウドファンディング、資金調達の多角化)
- 補助金の活用
- 返済のリスケジューリング(返済計画の見直し)
これらのアイデアは、すべて中小企業でも実施可能です。リソースに限りがある場合、社内に専門的な人材がいない場合には、商工会議所などで専門家に無料で相談してヒントをもらうこともできます。
アイデアを採用する前に、改善効果の見込みを算出し、費用対効果を見極めることも大切です。
改善を続けるコツ
赤字から脱却するためには、アイデアを実行するだけではありません。改善を続けることが大切です。以下は、改善を続けるためのコツです。
1.短期・中期・長期目標の設定
改善の目標を設定し、それを達成するために必要な行動を具体的に計画しましょう。目標に向かって一歩一歩進んでいくことで、改善の方向性が定まります。
目標を立てて、少しずつ進歩を確認する
2.社員や外部の専門家と一緒に取り組む
改善は社員全員が協力して実現するものです。社員のアイデアを取り入れたり、改善に向けた意識改革を行うことで、改善を続けやすくなります。
時に専門家の力を借りることで、多面的な意見を取り込むことができ、社内では難しかった問題解決が可能になります。
3.改善の成果を可視化する
改善の成果を可視化し、社員全員が改善の効果を実感できるようにしましょう。定期的な報告会や社内報の発行などを通じて、改善の成果を共有しましょう。
まとめ
赤字から抜け出すためには、まず、使えるお金を確保すること。それと同時に、赤字の原因を見つけ、その上で改善アイデアを実行することが重要です。改善を続けるためには、目標設定や社員との協力、成果の可視化が欠かせません。
資金繰りについて専門家に相談したい、銀行のリスケ(返済計画の見直し)について、より詳しく知りたい、という方はこちらもあります。