この記事では、エグゼクティブ・コーチングで、よく取り扱うテーマや解決の事例についてご紹介しています。経営者の方の悩みは多岐に渡りますが、大きく分けると3つです。今抱えている悩みに対して、コーチングをどのように活用できるかを知っていただける機会になれば嬉しいです。
- エグゼクティブコーチングで相談できるテーマ
- エグゼクティブコーチングで取り扱うテーマTOP3
- それぞれの悩みへのアプローチ方法
目次
エグゼクティブコーチングで扱うテーマの全体像
エグゼクティブコーチングは、経営者やリーダー層に対して特化したコーチングです。経営に関わるあらゆる課題に対処するため、エグゼクティブコーチングは様々なテーマを取り扱います。経営者ご自身のリーダーとしての自己成長もあれば、企業全体の成長を促進するツールとしてご利用いただくこともあります。
エグゼクティブコーチングでは、様々なテーマを取り扱いますが、これまで500人以上に対してコーチングを行った経験から考えると、大きく以下の3つに分類できます。
- 人材に関すること
- 売上向上に関すること
- 資金繰り改善に関すること
これらは、経営者にとって長期的な戦略立案において不可欠な課題です。これらのテーマに対して多面的な視点から経営者に気づきを持ってもらうのがエグゼクティブコーチングです。エグゼクティブコーチングを通して、経営者は自社の現状を把握し、成長への明確な道筋を描くことができます。
どんなテーマでも共通する大前提:明確な目標設定
エグゼクティブコーチングの土台となるのが、明確な目標設定です。
様々な悩みがある中で、まず行うのが明確な目標設定です。どんなに優秀な経営者でも、明確な目標が定まらなければ、具体的な戦略やアクションプランを実行することが困難です。
そのため、エグゼクティブコーチングでは、まずは経営者が抱えるビジョンや目標を一緒に整理し、そこから具体的な行動計画を設計します。「悩みを解決した状態はどうなれば良いのか」「理想の状態はどんな姿なのか」を明確にします。
たとえば、ある経営者が「売上が下がって困っている」と相談に来てくださったとします。そこから、以下のような質問をしていきます。
- 売上が下がることでどんな影響が出ているのか?(利益が増えているなら問題はないですよね?)
- 売上がいくらになれば良いのか?
- 売上がその金額になることで、どんな影響があるのか?
- その金額を達成したら、どんな変化が起こるのか?何をしたいのか?
- その金額を達成した時に、社員の方々はどんな風になっていればよいのか?
上記のような質問をすることで、目標とする姿を明確にします。
この時に大切なのは、経営者が「本当にその目標を達成することに価値がある」と思えることです。「売上が上がれば良い」と考えているだけだと、利益は下がっても良い、ということになってしまいます。また「売上と利益が上がれば良い」と考えているだけでは、「社員の方々が残業を増やせば良い」といった話になってしまいます。
偏った目標にならないよう、様々な視点から質問を投げかけ、気づきを得てもらうことができるのは、コーチでありコンサルタントとしての資格や経験を持つ私たちNUDGE consultingならではの強みです。
具体的な目標を設定できれば、コーチと共に目標までのステップや期限を明確にしていきます。また、経営者がその目標を達成するためのプロセスを伴走し、適宜フィードバックを行うことで、達成への可能性を上げていくのがコーチングです。
テーマ1:人材に関する悩みー育成・定着・社風改善
エグゼクティブコーチングにおいて最もよく扱うテーマの1つが人材に関するお悩みです。
- 部下のモチベーションが低い
- 人が育たない
- 離職率が高い
- 社内の環境が悪い
- 社内文化を改善したい
といったご相談が本当に多いです。
企業が成長していくには、社員の成長が不可欠です。特に中小企業では、優秀な人材を育て、長期間にわたり定着させることが競争力の向上に直結します。
しかし、多くの経営者は人材育成や社風改善に悩んでいます。どのようにリーダーシップを発揮し、社員のモチベーションを維持し、組織全体の活力を高めるかが課題です。
人材に関する悩みへのアプローチ
この課題に対してコーチングは、以下のアプローチをとることができます。
1.管理職のマネジメント力を上げる
1つ目は、管理職の方々のマネジメント力、人材育成力を上げることです。
コーチングはコミュニケーションスキルのツールです。コーチングを受けていただくことで管理職の方々のマネジメント力を向上させることもできれば、コーチングを学んでいただくことでコミュニケーションスキルを向上させ、部下のモチベーション向上につなげていくこともできます。
また、経営者向けのコーチングでは、組織の価値観やビジョンを明確にすることから始めることもあります。何よりも、経営者自身が本当にそこを目指したいと思っているのか、どう伝えることが最も効果的なのか、などをコーチングセッションで取り扱い、全社員が一体感を持って働ける環境を作るサポートも行います。これにより、社風が改善され企業全体の生産性向上が見込めます。
2.外部コーチとしてキーマンをコーチングする
2つ目は、外部コーチとして社内のキーマンを育てることにより、組織を活性化させ、組織としての目標達成を実現していく方法です。上司と部下という関係性があると、どうしても部下は本音を伝えにくい部分がありますが、外部のコーチであれば、評価なども気にせず話してもらうことができます。
本音を話してもらうことにより、本当の悩みを一緒に解決していくことができます。この2つ目のパターンで関わらせてもらい、大きな変化を出した事例を以下にまとめています。
テーマ2:売上に関する悩みーマーケティング・販路拡大
エグゼクティブコーチングで扱う2つ目に多い悩みは、売上に関する悩みです。
特に、創業期や製造業の2代目経営者の方、IT業界の方が多い印象です。製造業やIT業界の方が売上に悩む理由としては、やはり環境の変化が大きいです。過去に比べての需要の変化やAIの発展により業界全体のサービス価格が下がるなど様々な問題を取り扱ってきました。
環境が変化していくのはコントロールすることはできませんが、その環境をしっかりと見つめて、自社の強みをいかした戦略を考え早めに対策をうっていくことで、必ず対応策は見つかります!
市場が競争激化する中で、売上を伸ばすための適切な戦略を立てることは、企業の成長に不可欠です。エグゼクティブコーチングでは、経営者が自社の強みを分析し、顧客層に対する最適なアプローチ方法を考え、実行できるよう支援します。
戦略を考える際に、コンサルタントであれば具体的な提案ができますし、コーチであれば可能性を引き出すことができます。NUDGE consultingでは、コンサルティングとコーチングの2つをかけ合わせながら実施していきます。
売上に関する悩みへのアプローチ
売上拡大を図るためのもっとも多いアプローチとしては、SWOT分析から始めて、クライアントの強みや弱み、使えるリソースを明確にしていく所から始めます。
私自身が売上拡大で悩んでいた時に、たくさんのアドバイスをいただきましたが、アドバイスをくださる方々の多くは、ご自身の経験によるものです。ご自身がやってみて成果が出たから「やってみたら?」と勧めてくれる。それ自体は好意的なことなのですが、人には向き不向きがあるので、私が全く同じことをしてもうまくいくとは言えません。実際、いただいたアドバイスを全てやってみたけれど全部成果に繋がらなかったということもあります。
人によって、合う・合わないは絶対にあります。「私がやって良かったから」ではなく、多面的な知識の中から選択肢を提案し、「これならできそうだ」「これならやってみたい」と思えるアクションを増やすことを意識して一緒に戦略を考えています。
テーマ3:資金繰りに関する悩みー財務戦略・生産性向上
エグゼクティブコーチングで扱う悩みで3つ目に多いのは、資金繰りに関する悩みです。
資金繰り改善は、特に中小企業の経営者にとって、常に頭を悩ませる課題です。資金が回らないと、どれだけ優れたビジネスモデルや製品を持っていても、企業運営に支障が生じます。エグゼクティブコーチングでは、経営者が資金繰りを見直し今後の戦略を一緒に考えていきます。
資金繰りに関しては、単純に売上、経費を見直すだけではなく、なぜそうなったのか、本当の課題はどこにあるのかを一緒に考えていきます。その中で、生産性向上や1に述べた人事的な課題にぶつかることもよくあります。資金繰りが悪化した要因も、今後めざす姿も各企業によって異なるので、本当の課題を見つけ、目標を一緒に考え、アクションプランを考えていくのがエグゼクティブコーチングです。
資金繰り改善に関しては、状況に応じてすぐに対策が必要な場合もあります。その場合、提携している資金繰り改善の実績豊富な支援機関をご紹介しています。補助金を使った国の支援制度もご利用いただけます。
短期的な解決に関してはコンサルティングで関わらせていただき、中長期的には生産性が向上することで資金繰りを安定させ、企業全体の運営がより健全になるという好循環を生み出します。
まとめ:エグゼクティブコーチングで扱うテーマは組織規模でも違う
エグゼクティブコーチングは、経営者が直面する課題に対処するための強力なツールです。明確な目標を設定し、具体的な行動計画を実行していくことで、企業の成長に不可欠な3つのテーマ「人材育成・売上向上・資金繰り改善」に対応しています。
最近よく感じるのは、組織規模によって悩みが異なることです。
たとえば創業時や新規事業開発を行っている企業では売上向上や販路拡大で悩む企業が多く、歴史ある企業や二代目社長の場合、資金繰りや社風で悩まれていることが多いです。
どのステージの経営者にも対応できるのは、コーチングがクライアントさんの状況にあわせて可能性や選択肢を引き出すツールだからです。
コーチングを通じて経営者自身がリーダーとしてのスキルを高めるだけでなく、組織全体の生産性や効率を向上させることが可能です。エグゼクティブコーチングを提供するコーチは、経営者が自己成長し企業全体を持続的に発展させるためのパートナーです。
私達が、経営者ご自身の成長と企業の発展をお手伝いしていきます。どんなことでもお気軽にご相談ください。