この記事では、エグゼクティブコーチングについて、経営者から求められる背景、効果、メリットなどをご紹介しています。
- エグゼクティブ・コーチングがどんなものか知りたい
- どのような効果やメリットがあるのか知りたい
- どんな人が利用しているのか知りたい
目次
エグゼクティブコーチングとは? 基本的な定義
エグゼクティブコーチングとは、言葉のとおり経営者や管理職、マネジメント層を対象にしたコーチングのことを指します。経営者や幹部が個人のスキルやリーダーシップを向上させるために必要な、専門的な支援を受けるプロセスです。
コーチングを提供する方をコーチ、コーチングを受ける方をクライアントと呼びます。エグゼクティブコーチングでは、クライアントが目標を達成し、問題を解決する手助けをするために、社外のコーチが採用されることが多いです。
エグゼクティブコーチングは、ビジネスの成長や個人のキャリアアップに不可欠な手段とされています。近年は日本でも注目を浴びており、多くの企業で採用されてきています。特にリーダーシップや意思決定の質を向上させる目的で導入されることが多く、ビジネス界でますます重要性を増しています。いまや効果的なリーダーシップを育むための重要なツールとなっています。
エグゼクティブコーチングが活用される場面
エグゼクティブコーチングは、特に以下のような場面で活用されています。
- 思考の整理:中長期的な考えや答えのない問題の解決策を導き出す支援
- リーダーシップスキルの向上:リーダーとしての資質を高めるためのトレーニング
- 意思決定の質の向上:重要な決定を下す際のサポート
- コミュニケーションスキルの強化:効果的なコミュニケーションを促進
- 組織変革や新しいビジネス戦略の導入:変革期における適応と成長を支援
このように、エグゼクティブコーチングは幅広い状況で経営者を支えるために利用され、その効果は様々な場面で発揮されます。
エグゼクティブコーチングの効果とメリット
経営者のスキル向上や問題解決の支援
エグゼクティブコーチングは、経営者に多くの効果とメリットをもたらします。主な効果としては、次のようなものがあります
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- スキル向上:リーダーシップ、意思決定、コミュニケーションなどのスキルが向上します。
- 問題解決:経営者が直面する複雑な問題を効果的に解決するサポートを受けられます。これにより、企業のパフォーマンスが向上し、競争力が強化されます。
- 目標達成:短期および長期の目標を明確にし、それを達成するための具体的な戦略を立てる手助けをします。これにより、経営者はより効果的にリソースを活用できるようになります。
リーダーシップ力向上・人材育成
コーチングはそもそも、クライアントさんの目標を明確にし、モチベーションを高めるツールです。この手法を経験し、経営者自ら使えるようになっていただくことで、経営者ご自身のコミュニケーション力が格段にアップします。その結果、リーダーシップ力の向上や人材育成にもつながります。
- 自信とモチベーションの向上:コーチングにより、経営者は自身の強みを再確認し、自信を持ってリーダーシップを発揮できるようになります。これにより、社員の信頼を得やすくなり、組織全体のモチベーションが向上します。
- パフォーマンス向上:コーチングを受けた経営者は、自分自身とチームのパフォーマンスを大幅に向上させることができます。これにより、企業の成果が目に見えて改善されます。
実際、「人材育成のためにコーチングを学びたい」というコーチング研修のご依頼をいただくこともよくあります。
コーチングの効果:研究結果からわかること
米国では、経営者の7〜8割がコーチングを導入していると言われています。
効果検証1:米国企業の8割がコーチングを導入
実際に調べてみると様々な調査が行われていました。フォーチュン誌が年に1回発表する、米国の上位500社のリスト「フォーチュン500」と呼ばれる企業の約80%では、高いパフォーマンスを発揮している従業員にコーチングが導入されています。これは、エグゼクティブコーチングが経営者や上級管理職にとって非常に効果的であると認識されていることを示しています。
参照元:Executive Coaching Industry Statistics
効果検証2:高い投資対効果(ROI)をもたらす
エグゼクティブコーチングは、高い投資対効果(ROI)をもたらすとも言われています。たとえば、スタンフォード大学経営大学院が行った大規模な調査「2013 Executive Coaching Survey」では、529%のROIが報告されており、コーチングに投資することで大きなリターンが期待できることが示されています。また、2/3の経営者がリーダーシップに関して外部からのアドバイスを受けていませんが、ほぼ全員がアドバイスを望んでいる、とも記載があります。
このコーチングの高い導入率は、米国ではエグゼクティブコーチングの効果が広く認識されている証拠です。
エグゼクティブコーチングによる効果
米国の経営者がエグゼクティブコーチングを導入する理由は様々ありますが、代表なものをご紹介します。
効果1:経営者として多面的な成長が可能
- ストレス管理:経営者のストレスを軽減し、健康的な働き方を促進します。これにより、長期的に持続可能な経営が可能になります。
- 経営者自身の成長:特に中小企業であれば、経営者の影響力は多大なものであるため、経営者自身が成長が組織の成長に直結します。
- 組織の強化:効果的なリーダーシップを通じて、組織全体のパフォーマンスが向上します。これにより、チームの一体感が強まり、生産性が向上します。
- 競争優位性:経営者が持つ能力を最大限に引き出すことで、競争優位性を確保できます。これは、企業の成功に直結する重要な要素です。
正解がない悩みでずっと悩んでいる経営者の方もいらっしゃると思います。ですが、コーチングを受けていただくとたった1時間で思考がスッキリして決断が出せる、ということもよくあります。悩む時間を減らし、納得度の高い決断を早期にできるのがコーチングの魅力です。
中でも効果が大きな面を具体的にご紹介します。
効果2:自信とモチベーションの向上
エグゼクティブコーチングにより、経営者は自身の強みを再確認し、自信を持ってリーダーシップを発揮できるようになります。これにより、リーダーとしての存在感が増し、社員の信頼を得ることができます。また、自己肯定感が高まり、モチベーションが向上します。高い自己肯定感は、経営者が困難な状況に直面したときに冷静かつ効果的に対応する能力を高めます。
効果3:組織やチームのパフォーマンス向上
コーチングを受けた経営者は、自分自身とチームのパフォーマンスを大幅に向上させることができます。これにより、企業の成果が目に見えて改善されます。具体的には、次のような効果が期待できます:
- コミュニケーションの改善:チーム内のコミュニケーションが円滑になり、情報の共有がスムーズになります。
- 目標の明確化:チーム全体で共通の目標を持ち、それに向かって一致団結して取り組むことができます。これにより、チームメンバー全員が同じ方向を向いて努力することができ、成果が向上します。
コーチングをしていると、言葉の定義付けを行っているような感覚になることがあります。「組織を大きくしたい」「売上を増やしたい」と言葉で言っても、その定義や目指す場所は人それぞれ異なります。どこまでを目指すのか、何のために目指すのかといったことを具体的にしていくことで、言語化する力が上がり、社員へ伝える力も上げていくことができます。
特に競争の激しい市場では、経営者が自身のスキルを高めることが求められます。エグゼクティブコーチングは、個人の成長だけでなく、組織全体の成功にも寄与します。経営者がリーダーシップを発揮することで、企業全体が一体となり、より高い目標を達成できるようになります。
エグゼクティブコーチングで効果を発揮した成功事例
中小企業の経営者にコーチングで起きた変化
あるIT企業の経営者の方は人事に関する悩みを抱えてご相談に来られました。エグゼクティブコーチングを受けていただく中で、「本当に得たい結果」を得るためには人事の問題に目を向けるよりも、利益を残せる体制づくりを優先した方が良いことに気づかれました。その後は、具体的な戦略を決め、定期セッションで進捗確認や問題の有無を確認、予定と実績の管理を行いながら日々の悩みの解決策をともに考えながら進んでいきました。
大きな悩みであった人事に関する悩みが「本当はそこまで重要視する問題ではなかったのかもしれない」と気づかれたことで、経営者の悩む時間が減り、経営活動に専念できる状況が作れました。その結果、売上は前年比125%増、利益も向上させることができました。
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コーチングがビジネスで効果的な理由
経営者の方々は日々意思決定に追われ、さまざまな決断を迫られています。1つの悩みをずっと抱えて動けないでいることは、経営を悪化させることにつながります。「本当に得たい結果」を得るための道は1つではありません。エグゼクティブコーチングでは、本質的な課題の発見、視点の移動により可能性を拾げるアプローチなどを実施します。
セッションでは様々な可能性を引き出していくため、経営者の方が「これしかない」と思っている場合でも、セッション後には全く違う可能性が見えてきていることもよくあります。
成功事例からも分かるように、エグゼクティブコーチングは、たった1回のセッションでも大きな気づきをもたらす可能性があります。
エグゼクティブコーチングとは?効果とメリット:まとめ
エグゼクティブコーチングの効果やメリットはご理解いただけたでしょうか?
先行き不透明なこの時代、経営者の決断一つ一つが会社を大きく動かします。経営者自身が成長していく必要があります。ですが、「経営者になってまで誰かから指導を受けたり、押し付けられたりするようなことはイヤ!」という方もいると思います。
「上から目線で教えられるのは苦手だから、同じ目線で話をしてもらえるコーチングが好き」と言われる経営者の方もいらっしゃいます。
コーチングは、経営者に何かを教えるものでも押し付けるものでもありません。ご自分で考えて答えを出すものです。そのため、納得度が高く、自分で決めたことだからこそ実行力も高く進んでいくことができます。
もし、エグゼクティブコーチングにご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にご相談ください。